- 1 Adamas
- 1.1 はじめに:小布施の静寂に佇む美食の舞台へ
- 1.2 古民家×モダンの融合、Adamasの空間
- 1.3 冬の情景を映し出す「Seasonal Course」の実食レポート
- 1.3.1 1. 季節のエクストラクション (Seasonal extractions)
- 1.3.2 2. Amuse:花 / おやき (Flower / Oyaki)
- 1.3.3 3. Amuse:鮪 / 長芋 (Tuna / Nagaimo)
- 1.3.4 4. Amuse:金柑 / フォアグラ (Kumquat / Foie gras)
- 1.3.5 5. Course:鰤 / 大根 (Yellowtail / Radish)
- 1.3.6 6. Course:白子 / カリフラワー (Soft cod roe / Cauliflower)
- 1.3.7 7. Course:鰆 / 菜花 (Spanish mackerel / Canola flower)
- 1.3.8 8. Main:猪 / 木の子 (Wild boar / Mushrooms)
- 1.3.9 9. Dessert:林檎 / ヘーゼルナッツ (Apple / Hazelnut)
- 1.3.10 10. Mignardises:ショコラ / フィナンシェ
- 1.4 料理を昇華させる「ノンアルコールペアリング」の妙
- 1.5 シェフ:今井 順一氏について
- 1.6 まとめ:特別な日に訪れたい、信州のガストロノミー
- 1.7 場所
- 1.8 You Tube
Adamas
はじめに:小布施の静寂に佇む美食の舞台へ
こんにちは、はいしゃです。 先日、以前から気になっていた小布施町にあるレストラン「Adamas(アダマス)」へランチに行ってきました。
長野県内でも数少ない、本格的な「イノベーティブ・フレンチ」を楽しめるお店として、食通の間で話題になっているこのお店。今回は、自分へのご褒美も兼ねて、季節のランチコースとノンアルコールペアリングを堪能してきました。
古民家をリノベーションした空間で繰り広げられる、驚きに満ちた食体験。 お値段は決して安くはありませんが、そこには「食べる」という行為を超えた、五感を刺激するエンターテインメントがありました。今回はその全貌を余すところなくレポートします。
古民家×モダンの融合、Adamasの空間
お店に到着すると、まず目を引くのは立派な長野の古民家の佇まい。 暖簾をくぐり中に入ると、そこには古材の梁や柱を活かしつつも、洗練されたモダンな空間が広がっています。
席に着くと、テーブルの上にはQRコードが記されたアクリルキューブのみ。 最近増えてきましたが、こちらのお店もメニュー表はなく、スマートフォンでQRコードを読み取り、YouTube動画でメニューを確認するスタイルです。 (個人的には、紙に書かれたアナログなメニューを見ながらあれこれ想像するのが好きなので、少し寂しい気もしますが、これも「現代的(イノベーティブ)」な演出の一つなのかもしれませんね笑)
冬の情景を映し出す「Seasonal Course」の実食レポート
今回のオーダーは以下の通りです。
-
季節のランチコース:10,000円
-
ノンアルコールペアリング:3,750円
-
サービス料込み総額:15,125円
テーマは「冬 -Winter-」。 長野の厳しい冬の寒さの中にある美しさや、旬の食材の滋味深さを表現したコースです。
1. 季節のエクストラクション (Seasonal extractions)
コースの幕開けは、ウェルカムスープから。 「長野県産食材のブイヨン」を抽出した一杯です。 冬の澄んだ空気を思わせる透明感のある味わい。中には「雪の結晶」に見立てた聖護院カブのピクルスが浮かび、柚子の皮から香りを移したオイルがふわりと香ります。冷えた体に染み渡る、優しくも奥深いスタートです。
2. Amuse:花 / おやき (Flower / Oyaki)
ここからアミューズの登場です。 「おやき」と聞いて想像していたものとは全く違う、可愛らしい一品が登場しました。 モッツァレラ、チェダー、ゴーダチーズを混ぜてフリットにした、一口サイズの「チーズおやき」。まるで花のように棒に刺さっており、表面には淡雪のようなパウダーがかかっています。熱々のチーズのコクとサクサクの食感がたまりません。
3. Amuse:鮪 / 長芋 (Tuna / Nagaimo)
冬をイメージした真っ白で丸いフォルム。 これはインドの屋台スナック「パニプリ」をフレンチ風に再構築したものでしょうか。水を練って揚げたサクサクのタルト生地の中に、太平洋マグロのタルタル(エシャレット、香草、酢漬けきゅうり和え)が詰まっています。 トップに飾られているのは「白熊のウフ・ア・ラ・ネージュ(メレンゲ)」。 妙高名物「かんずり」のスパイシーな辛味がアクセントになり、繋ぎに使われた長芋の蒸し物がモチモチとした食感をプラス。複雑な味が口の中で一つにまとまる、計算され尽くした一品です。
4. Amuse:金柑 / フォアグラ (Kumquat / Foie gras)
見た目は完全に「金柑」そのもの。 フレッシュな金柑の中身をくり抜き、なんと中にフォアグラのテリーヌとカシューナッツを詰めてあります。 上には2年熟成させた金柑ジュースのジュレ、そして中野市産のフィンガーライム。 フォアグラの濃厚な脂を、金柑の酸味と苦味が絶妙に切ってくれます。これはお酒が進んでしまう味ですね(ノンアルコールですが!)。
5. Course:鰤 / 大根 (Yellowtail / Radish)
ここからがいよいよコース本番。まずは冬の味覚の王様「寒ブリ」です。 片面だけをグリル板で焼き付け、レアな部分との食感のコントラストを楽しめます。合わせるのは自家製の糠漬け大根。そう、これはフレンチ流の「ブリ大根」なんです。 ソースはみかんジュースと皮のオイルを乳化させたビネグレット。安曇野のわさびオイルや「フェイクキャビア(昆布)」が添えられ、さらに赤ワインと魚醤で炊いた魚のリエットが旨味の深みを与えています。
6. Course:白子 / カリフラワー (Soft cod roe / Cauliflower)
真っ白なビジュアルが美しい一皿。 タラの白子と、下には「ブランダード(タラとジャガイモのペースト)」が敷かれています。 ソースはミルクと貝出汁のクラムチャウダー風。白ワインビネガーで和えたカリフラワーの酸味が、白子のクリーミーさを引き立てます。徹底して「白」にこだわった、冬らしい一皿でした。
7. Course:鰆 / 菜花 (Spanish mackerel / Canola flower)
宮城産の鰆(サワラ)。 皮目は香ばしく、身はしっとりと絶妙な火入れ加減です。付け合わせの菜の花の苦味が、春の訪れを予感させます。素材の良さをシンプルかつ最大限に引き出す技術の高さを感じました。
8. Main:猪 / 木の子 (Wild boar / Mushrooms)
メインディッシュはジビエ、「猪(イノシシ)」です。 小布施名物である栗のイガで作った炭で焼き上げたロース肉は、臭みが全くなく、驚くほど旨味が強い! 付け合わせは、冬の倒木をイメージしたという小さなガレット。中には中野市産の6種類のきのこを使ったフリカッセが入っています。マデラ酒のソースと、酒粕を合わせたソースが、野性味ある猪肉と相性抜群でした。
(余談ですが…) コースの途中で提供されたパンとバター。このバターが衝撃的に美味しくて、本気で持ち帰りたかったくらいです(笑)。
9. Dessert:林檎 / ヘーゼルナッツ (Apple / Hazelnut)
デザートは長野らしくリンゴ尽くし。 軽く焼いたパイ生地に、キャラメル煮のタルトタタン。中野産サンふじを花の形に飾り付け、ヘーゼルナッツのアイスクリームを添えています。 リンゴ飴、アップルパイ、シブーストなど、世界中のリンゴ菓子の要素を詰め込んだような、リンゴへの愛を感じるデセールでした。
10. Mignardises:ショコラ / フィナンシェ
食後の小菓子(ミニャルディーズ)も演出が凝っています。 「ショコララ」と名付けられた一品は、雪だるまに見立てた可愛らしい盛り付け。塩で作られた「かまくら」と共に提供されます。 そして最後、箱の中からサプライズのように現れた焼きたてのフィナンシェ。こういう遊び心、大好きです。
料理を昇華させる「ノンアルコールペアリング」の妙
今回は車での移動だったのでノンアルコールペアリングをお願いしましたが、これが大正解でした。単なるジュースではなく、料理に完璧に寄り添うように設計されています。
-
柚子サイダー風: 長野県産カリンと柚子シロップ+ジャスミン茶の炭酸割り。
-
白ワイン風: サンマルツァーノのドライトマト出汁+グレープフルーツ+昆布出汁。これが驚くほど魚料理に合う!
-
オレンジ系: 障害者施設「栗の木園」の雪下人参ジュース+オレンジ+白胡椒。
-
赤ワイン風: 濃い黒烏龍茶+赤ワイン煮込みシロップ(黒糖・スパイス)。
-
カクテル風: リンゴジュース+京都の玉露。
ソムリエの資格を持つシェフだからこそできる、計算されたマリアージュでした。
シェフ:今井 順一氏について
ここで、この素晴らしい料理を作り出すシェフについても少し触れておきましょう。
長野市出身の今井順一シェフは、エコール辻東京を卒業後、東京のミシュラン三ツ星店「レフェルヴェソンス」や人形町「ars」などの名店で修業。その後、オーストラリアのメルボルン近郊のレストラン「IGNI」で料理とワインを学び、帰国後は「KIHACHI ITALIAN」にも在籍されたという輝かしい経歴の持ち主です。
2022年12月にこのAdamasをオープン。「風土と調和した料理」をテーマに、フレンチの技法と信州の食材、そして和の要素を融合させた独自のスタイルを確立されています。
まとめ:特別な日に訪れたい、信州のガストロノミー
お会計は1人約15,000円。 頻繁に通える価格帯ではありませんが、料理のクオリティ、独創性、そして空間の演出を含めれば、その価値は十分にあります。 アミューズの段階から「次はどんな驚きがあるんだろう?」とワクワクさせてくれる、まさに美食家のためのコースでした。
一つだけ難点を挙げるとすれば、シェフの料理説明の声が少し小さくて聞き取りづらい場面があったことくらいでしょうか(笑)。でも、それも職人気質ということで。
記念日や特別な日のお祝い、あるいは県外からの大切なゲストをもてなす際に、自信を持っておすすめできる一軒です。 小布施に行かれる際は、ぜひ予約して「Adamas」の世界観を体験してみてください。
場所
営業時間:
ランチ12:00~15:00(L.O13:00)
ディナー18:00~22:00(L.O20:00)
定休日:不定休
(営業時間は変更になる可能性もあるのでお店に問い合わせてください。)
電話:026-247-8514
住所:長野県上高井郡小布施町福原220−15
駐車場:あり
You Tube
You Tubeのチャンネル登録もお願いします。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓