信州蕎麦処 しなの
長野駅といえば、信州そば。駅のホームに降り立てば、ふわっと香る出汁の匂いに誘われ、そばをすするのが定番中の定番。
もちろん、私もその一人でした。しかし、今日、その「定番」をあえて外す勇気が、最高の食体験に繋がったのです。
これは、長野駅の在来線ホームにある立ち食いそば屋「信州蕎麦処 しなの」で、あえて「カレーうどん」を注文したら、予想をはるかに超える逸品に出会ってしまったお話です。
哀愁漂う、在来線ホームのオアシス「信州蕎麦処 しなの」
長野駅のホームにある立ち食いそば屋は、新幹線ホームと在来線ホームに1軒ずつ。どちらも甲乙つけがたい魅力がありますが、私のお気に入りは在来線ホームにある「信州蕎麦処 しなの」です。
昔ながらの佇まい、慌ただしい駅の中でここだけ時間がゆっくり流れているかのような、少し寂しげで、それでいて温かい「哀愁漂う雰囲気」がたまりません。
今回は松本への出張。特急「しなの」の出発を待つ間に、腹ごしらえをしようと立ち寄りました。奇しくも、店の名前と同じ特急「しなの」が発着するホームにあるため、出発前のわずかな時間で本格的な味を楽しめる、まさに駆け込み寺のような存在です。
なぜ「そば」ではなく「カレーうどん」だったのか
長野駅で、しかも「信州蕎麦処」と名のつく店に入ったのなら、そばを食べるのが当然の選択。私も券売機の前に立つまでは、天ぷらそばあたりを食べる気で満々でした。
しかし、そのとき目に飛び込んできたのが、黄色い文字が食欲をそそる「カレーうどん」のメニュー。
「お蕎麦屋さんのカレーうどん」
このフレーズの引力は絶大でした。脳が、いや、胃袋が、一瞬にしてカレーを欲し始めたのです。「うどんはそばにも変更できます」との注意書きもありましたが、カレーとくれば、やはり相棒はうどん一択でしょう。私は吸い寄せられるように「カレーうどん 420円」のボタンを押していました。
これが420円のクオリティか!着丼、そして実食
食券をカウンターのお母さんに渡すと、そばを注文した時とは少し違う工程で調理が始まります。私の観察によれば、温められたレトルトカレーを、うどんが入った丼に注ぎ、その上からそばつゆをかけるというスタイルのようです。
そして、数分と待たずに着丼したのがこちら。
立ち上る湯気とスパイシーな香り。中央にこんもりと盛られたネギが彩りを添え、見るからに美味しそうです。
服にカレーが飛ばないよう、レンゲを駆使しつつ慎重に一口。
まず、うどん。これは正直、ごく普通のうどんです。特別に強いコシがあるわけでも、驚くほどの喉越しがあるわけでもありません。しかし、これが良いのです。この「普通」さが、主役であるカレーを最大限に引き立てています。
そして、主役のカレー。これが絶品でした。 そばつゆ、つまり和風出汁で割られていることで、ただ辛いだけではない、奥深い旨味とコクが生まれています。ピリッとしたスパイスの刺激と、出汁の優しい風味が口の中で見事に調和し、次から次へとレンゲを進めさせてしまう魔力がありました。
カレーの味が主体でありながら、どこか懐かしい和のテイストを感じる。これぞ「お蕎麦屋さんのカレーうどん」の真骨頂です。
七味唐辛子で「味変」も楽しむ
半分ほど食べ進めたところで、テーブルに置かれた七味唐辛子を投入。 カレーのスパイシーさに、七味の鮮烈な香りと辛味が加わり、味がグッと引き締まります。額にじわりと汗が滲むのを感じながら、夢中でうどんをすすりました。
チープと言えばそうかもしれませんが、この気取らないうどんだからこそ、濃厚なカレースープとよく絡み、一体感のある美味しさを生み出しているのです。
結論:長野駅「しなの」のカレーうどんは、試す価値大いにあり!
あっという間に完食。
長野駅のホームで、まさかこれほど満足度の高いカレーうどんに出会えるとは思いませんでした。多くの人が名物の信州そばを注文する中で、このカレーうどんを頼むのは少数派かもしれません。
しかし、もしあなたが「いつもと違う駅の味」を求めているなら、もし肌寒い日に体の芯から温まりたいなら、ぜひ「信州蕎麦処 しなの」のカレーうどんを試してみてください。
420円で得られる、期待以上の幸福感がそこにはあります。特急「しなの」に乗り込む前の数分間、あなたもこの隠れた名物で、最高の腹ごしらえをしてみてはいかがでしょうか。
場所
営業時間:7:00~19:50
定休日:無休
(営業時間は変更になる可能性もあるのでお店に問い合わせてください。)
電話: 026-225-7840
住所:長野県長野市栗田1038−4 6.7番線ホーム
駐車場:なし
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